新ソリューション「バイタル」とは?サステナビリティのリスク管理のための第一歩

無料で利用可能な新ソリューション 
IQ Plusとの組み合わせでさらなる価値を提供

ドイツのサプライチェーンデューデリジェンス法(LkSG)や企業サステナビリティデューデリジェンス指令(CSDDD)をはじめ、これに関連する現代奴隷法などの新しい規制は、調達・サプライチェーンチームに対し、これまで以上に野心的な期待を寄せています。これらの法律は、高まるリスク環境に合わせ、「予想されるリスクの可視化」「厳密なデューデリジェンス」「緩和措置へのさらなる関与」「注意深いモニタリング」「サプライヤーベース全体にわたる人権・環境リスクの詳細な報告」などを要求しています。

その結果、環境と人権のリスク管理およびデューデリジェンス・プログラムの適用に、非常に広範なサプライヤー(規模・業界・所在地)が含まれることになります。

情報開示は、サプライチェーンデューデリジェンス法を遵守する上で重要な役割を果たします。しかし、すべてのサプライヤーに詳細な評価受審や改善に取り組むための準備が整っているわけではありません。調達チームにとっては、リソースが限られ、サステナビリティ向上の途中段階にある小規模のビジネスパートナーと連携することが困難な場合があります。

このような課題に対応するための新たなソリューションが「バイタル」です。

新ソリューション「バイタル」とは?

バイタル (Vitals:「不可欠、必須」の意)はサプライヤーのリスクを見極めるための簡易的な質問票で、IQ Plusプラットフォーム上にシームレスに構築されています。IQ Plusとバイタルを組み合わせることで、ユーザーが規制要件に対処するための強力なリスク管理ソリューションとなります。これにはAIを活用した文書のスキャン、収集、レビュー機能、高度なリスクマッピング、質問票にサプライヤーから直接入力された情報、およびライブニュースモニタリング(LNM)が含まれます。
バイタルの質問票は約30分で回答でき、国際的なサステナビリティ専門家のチームが開発した約20個の質問は、デューデリジェンスプラクティスと新たな規制要件を反映したものとなっています。

特に小規模のサプライヤーなど、規制の遵守への対応が難しいサプライヤーを容易に特定することが可能となり、全サプライヤーのサステナビリティ推進へのエンゲージメントを高めることを実現できます。また、質問票にサプライヤーがデータを直接入力し、AIが書類審査を行うことで、高度なリスクプロファイルがサプライヤーに無料提供されます。その結果を踏まえ、ユーザーはサプライベース全体のリスクを最小限に抑え、レリジエンスのあるサプライチェーンを構築するための最善策を見極めることができます。 
 

バイタルを活用した情報開示とコンプライアンスの課題解決法

サプライヤーがバイタルの質問票に回答すると、リスク結果がビジネスパートナーに共有されます。リスクレベルを低、中、高に分類し、これに基づいてバイヤーがサプライヤーに対してどのように関与するかを判断することが可能になります。状況に応じて、IQ Plusのライブニュースモニタリングでサプライヤーをモニタリングするだけで済むかもしれません。

さらにIQ Plusのマニュアルチェック機能を使えば、サプライヤーの文書のギャップ分析も実施可能です。具体的には、サプライヤーがリスク管理システムを実装していることを証明するための文書が簡単に特定できます。懸念すべきリスクが残る場合には、サプライヤーにEcoVadisの評価受審を促します。
 

バイタルは企業規模の大小を問わず、バイヤーとサプライヤーが直面する課題を解決

第一に、サプライチェーン規制は年々増加しています。そうした中、バイタルの質問票はデューデリジェンス要件を満たす必要がある企業に、迅速かつ柔軟なリスクインサイトを見つける手段を提供します。

第二に、大企業では取引が広範で複雑化しているため、透明性を高めたくてもロングテールサプライヤーへの関与に高い障壁(コスト増加やリソースの制約など)が存在します。バイタルの質問票は、サプライヤーが迅速かつ簡単に、そして無料で回答できるため、こうした障壁を取り除くことができます。

以上のように、バイタルはサプライヤーがサステナビリティリスクを理解し、情報開示するためのきっかけとなります。そして、大規模な調達チームがサプライチェーンのリスクを十分に把握するのにも役立ちます。

バイタルは、バイヤーとサプライヤーの両者にとってメリットがあり、サプライチェーン全体でさらなるリスクインテリジェンスやインサイトを得るのに役立ちます。バイヤーは、サプライヤーのESG実践と開示能力に関するリスクやギャップをあらかじめ把握することができ、一方、サプライヤーは、ESG実践に関する期待事項や、管理システムの文書化方法、開示プロセスなどについてより理解を深めることができます。
 

企業におけるコンプライアンスへの取り組みを促進

バイタルを活用したEcoVadis IQ Plusは、企業のサステナビリティとそのリスクに向けた取り組みを促進します。バイタルは、IQ Plusのリスク識別、管理、報告機能と組み合わせることで、リスク軽減を効率的かつ効果的に行うプラットフォームを提供します。これにより、企業は、サプライヤーベース全体のリスク管理に対するデューデリジェンスを容易に実施できるようになります。

バイタル、IQ Plusに関する詳細は、バイタルを活用したEcoVadis IQ Plusをご覧ください。 

著者について

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EcoVadisは、世界のビジネスにおいて最も信頼されるサステナビリティ評価の提供をミッションとする会社です。専門知識とエビデンスに基づく独自の評価システムにより、企業とその取引先のサステナビリティパフォーマンスを監視し、改善のための提案を行っています。EcoVadisによる評価は200の業種と175カ国の状況を網羅しており、実用的なスコアカードやベンチマーク、脱炭素に向けたアクションツール、インサイトを通じて、環境的で社会的かつ倫理的な改善を促進します。

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