15年前からEcoVadisを活用。CBCが目指す、企業と社会のサステナビリティ

CBC株式会社
コーポレートディビジョン・サステナビリティグループ
シニアマネージャー 妻鳥 雄輝 様

化成品や食品、電子機材、医療機器などの輸出入や販売から、医薬原薬やIT・自動車部品などの製造まで、幅広い事業を展開するCBC株式会社。1925年に化学品を扱う商社として創業して以来、99年間連続黒字という安定した経営基盤を持つ老舗企業です。1930年代からグローバル展開をスタートし、現在は世界約19カ国に44拠点を有しています。

日本ではまだサステナビリティやSDGsという言葉が一般的ではなかった2009年から、同社はEcoVadisの評価を受審。2020年にはシルバーメダルを獲得しています。さらに2022年には、社内にサステナビリティやCSRの専門部署を立ち上げました。早くからサステナビリティを推進してきた背景や、評価受審のポイントについて、サステナビリティグループ シニアマネージャーの妻鳥(めどり) 雄輝氏にインタビューしました。
 

——EcoVadisの評価を受審する以前、貴社ではどのようにサステナビリティに取り組んでいましたか。

当社では、「共存共栄/Dream Together」という経営理念を大切にしています。「サステナビリティ」という言葉が広がる何十年も前から、「企業の永続的成長を通して、社員ならびに家族の繁栄と地域・社会の発展に貢献する」ことを目指してきたのです。これを現代風に言い換えれば、「サステナブルな企業経営を通じて、地域・社会のサステナビリティを実現する」ということになります。特に化学品の販売にはさまざまな規制があり、人びとの健康や環境問題とも密接に関係しているので、多くの社員が、サステナビリティに関しては高い意識を持っています。

例えば1990年代からは、化学農薬の代替となる、環境にやさしい農薬の取り扱いも始めています。昆虫のフェロモンを応用した薬を散布することで害虫の繁殖を抑えるもので、生態系に悪影響を及ぼさないことから、ヨーロッパや南米などでも需要が高まっています。「安心」「安全」をキーワードに事業を拡大しようという意識は、かなり早い段階から社内に浸透していました。

——EcoVadisの評価受審を決めたきっかけを教えてください。

初めて「EcoVadis」という社名を聞いたのは2009年、EcoVadisが設立されて間もない頃だったと思います(EcoVadisの設立は2007年)。カナダに本社のある包装材メーカーから、当社のシンガポール拠点に対し、「取引にあたり、EcoVadisの評価を受審してほしい」という依頼があったのです。さらに2011年、今度はヨーロッパの大手化学品メーカーからドイツの拠点に対し、「EcoVadisの調査を受けてほしい」という要望を受けました。

当時はまだ、社内にサステナビリティの専門部署がなかったので、私が所属する法務部門で回答を進めました。当社は非上場企業ということもあり、その頃はCSRや人権擁護、労務管理などについて対外的に公開する慣習もなかったので、戸惑うことが多かったですね。当時は、受審に対してあまり積極的ではありませんでした。

考えを改めるきっかけとなったのは、2016年のことです。当社の中国にある工場が、グローバルな電子機器メーカーの顧客から監査を受けることになりました。この監査は品質管理や製造管理だけでなく、CSRについても対象とされていました。そのため、現場から本社へ連絡が入りました。私たちはEcoVadisによる評価を受けていると伝えたところ、顧客から「それならば、CSRの監査は必要ない」との回答を得ました。これにより、EcoVadisが国際的に信頼されている評価機関であることを再認識しました。そして、評価の受審に真剣に取り組むことが、会社にとってもメリットになると感じるようになりました。

——評価を受審するにあたり、苦労したことはありますか。

評価に必要な「エビデンス」をそろえるのは、やはり大変でした。法務部門が主管となり、人事や総務の協力を得ながら必要な書類を集めたのですが、当社の場合、その大部分が社内向けの業務書類だったので、審査では「公的な記録・報告ではない」と判断されてしまうのです。

どうすればいいのかと頭を抱えていたとき、スイスに本社のある化学品メーカーの日本子会社から、「取引を継続するため、EcoVadisの評価を受審し、当社が定めた基準をクリアしてほしい」という連絡があったのです。私たちにとって大切なお客様だったこともあり、本腰を入れて審査に臨むことになりました。幸い、化学品メーカーの側でもCBCとの取引継続を希望しており、EcoVadisの評価を受審した経験を持っていたことから、サステナビリティ推進についてさまざまなアドバイスをいただいたのです。

例えば当社では、以前、社内向けの書類に社名を入れる習慣がありませんでした。しかし、社名のない書類は、審査において正式なエビデンスとは認められません。社内でのみ閲覧する書類であっても、しっかりと社名を入れ、外部に公表できる報告書の形でまとめるなど、地道な努力を積み重ねました。

その甲斐あって、2020年の受審では化学品メーカーの基準をクリアする評価をいただき、シルバーメダルを獲得することができたのです。目に見える成果が出たことはやはりうれしく、全社に向けてこの結果を発信しました。

——EcoVadisの評価に対し、本格的に取り組みを始めたことで、何か変化はありましたか。

2019年頃からは、グローバル企業のみならず日本国内のお客様からも、「EcoVadisの評価を受けていますか?」という質問を受ける機会が増えています。現場で顧客と接する営業担当者からは、「CBCでは15年前からEcoVadisの評価を受審し、高い評価をいただいている」と胸を張ってお伝えできるので、営業にも役立っているという声が届いています。

評価を受審することで、サステナビリティについて当社ができていること、今後伸ばしていきたい部分を一目瞭然に把握できるのも、大きなメリットです。例えば当社では、人権擁護や労務管理について、以前から上場企業並みのしっかりとした体制を整えてきました。

一方、温室効果ガスの排出量削減については、お客様からの要請もあり、重点目標のひとつとして取り組みを強化しているところです。2023年には、国際的な環境非営利団体CDPからの質問書に初めて回答し、スコアアップを目指す取り組みを進めています。また、SBT(パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標)認定の2026年取得を目指し、グローバルグループ全体でプロジェクトを立ち上げました。

当社では、EcoVadisの評価受審以外にも、お客様から日々さまざまなCSR調査の依頼を受けることがあります。質問項目が重なる場合も多く、EcoVadisの評価を受審した経験が、他社の調査に回答する際にも役立っていると実感しています。

——今後のサステナビリティ推進について、貴社のお考えをお聞かせください。

2022年には、これまで法務部門が兼務していたCSR関連の業務を専門に行う部署として、「サステナビリティグループ」を立ち上げました。私自身も役員会に出席し、サプライヤーとしてサステナビリティ推進に取り組むことの重要性を、他部門の担当役員に繰り返し伝えています。社内でサステナビリティについての会話が生まれ、トップダウン、ボトムアップの両方向からサステナビリティの考え方が浸透していくことを期待しています。

先ほどもお話したように、私たちの企業理念の根底には、サステナビリティに通じる思想が流れています。サステナビリティへの取り組みをさらに進める中で、企業の永続的成長が地域や社会の発展に繋がり、地域・社会の発展がさらなる事業成長に還元されるという好循環を、社員が明確に意識するようになりつつあると感じています。

今後もEcoVadisのような外部評価を「健康診断」として活用しつつ、上場企業にも負けない取り組みを進めていきたいと考えています。

著者について

‏‏JA‎ E‏‏‏‏coVadis ‏‏JA‎

EcoVadisは、世界のビジネスにおいて最も信頼されるサステナビリティ評価の提供をミッションとする会社です。専門知識とエビデンスに基づく独自の評価システムにより、企業とその取引先のサステナビリティパフォーマンスを監視し、改善のための提案を行っています。EcoVadisによる評価は200の業種と175カ国の状況を網羅しており、実用的なスコアカードやベンチマーク、脱炭素に向けたアクションツール、インサイトを通じて、環境的で社会的かつ倫理的な改善を促進します。

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